某電気街に帰りに寄った。
理由は何てことはない。
バンドのギタボのバースデープレゼントを物色するためと
打ちたいスロット機がその街にあったからと
週末だったからだ。
会社から素直に帰って、スーツを脱いで汗を落としたら
PCに向かった仕事関連の資格勉強。
そんな日々に小生の精神は磨耗していた。
成長のため、お前のため、と会社は要求し
受け止めた小生は、プライベートを代償として差し出す羽目となった。
「成長」するために「衰退」していくのだ。
マンションから会社へ出勤して、会社からマンションへ出勤しているようなもの。
勇気を振り絞り、上司にメールをした。
「体調が勉強に追いつきません。辛いです。」
「もう少しだから頑張れ。」
頑張るための身体が限界に近いんだ・・・
それでも試験は近づく。
どうせ徹夜してするのだから、マンション出勤前の何時間はブラブラしようと決めたのだ。
とにかく帰りたくない。
そして電気街を歩く。
お目当てのスロットで遊び、小銭を稼いで上機嫌で歩く。
AKBの写真を自慢しあう人、一杯ひっかけたらしき酒気交じりのサラリーマン、鼻詰まりのような声で勧誘するメイド
どこかのRPGの歓楽街のような通り
でかでかと光るネオン、ポップ調で書かれた看板
逃げ込みたいと思った。
きっと今ならどんなアニメやゲーム、サブカルチャーの世界にも没頭できるだろう。
結局、めぼしいものが無く
少し離れた都営線の駅まで歩く。
だんだん歓楽街の光が薄くなり、気づけばビジネスビルが乱立する通りに出ていた。
現実の匂いで頭がクラクラする。
近道で薄暗い路地道に入り、イヤフォンで耳を塞ぐ。
帰りたくない気持ちを爆音のギターで塗りつぶして歩き続ける。
現実を見ろ、さぁ帰ろう、もう時間が無い。
考えたら涙が出ていた。
知らない間に路地裏に座り込み動けなくなっていた。
あれ、何で小生座ってるんだ?何で立っていないんだ?
時計を見たら30分が経過していた。
世の中からすれば甘えかもしれない。
でも紹介してもらった医者に行ってみよう。
認めるのが怖かったから、行こうとは思わなかったけど
いつからか病気気味だったのかもしれない。
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